Seedance 2.5の機能と能力
Seedance 2.5はByteDanceの次世代動画モデルです。位置づけとしてはSeedance 2.0系列の拡張版にあたります。ネイティブテイクは長くなり、参照は大幅に増え、音声は10以上の言語でネイティブに生成されます。シリーズの強みであるAIカメラ制御は、そのまま残っています。
Seedance 2.5は現在展開中です。ByteDanceが見込む完全ローンチは2026年8月7日。それまでに、あるいはローンチ時点で、一部の詳細が変わる可能性があります。
| 機能 | できること | 最適な用途 |
|---|---|---|
| より長いワンテイク動画 | 数秒のビートをはるかに超えて1つの連続ショットを保持、最大30秒 | 広告スポット、短いシーン、長いリビール |
| ネイティブ1080p出力 | 1920x1080のフレームを直接レンダリング、アップスケールなし、ローンチ時の720pから向上 | ソーシャル、ウェブ、広告向けのフルHD納品 |
| 参照による連続性 | 最大50のマルチモーダル参照でキャラクター、セット、パレットを固定 | シリーズ、マルチショットのシーケンス、ブランド案件 |
| クリップ内編集 | 完全な再レンダーなしで既存クリップの1要素を変更 | テイクの修正、的を絞った改訂 |
| 音声つきAIカメラ制御 | 平易な言葉でカメラを演出し、同じパスでネイティブ音声を付与 | 演出されたショット、音ありのシーン |
| 音声のみの参照 | 音声・音楽・効果音のトラックがテンポ、ビートマッチング、リップシンクを駆動 | ミュージックビデオ、リップシンクのセリフ、各言語のボイスオーバー |
より長いワンテイク動画
目玉の変化は長さです。ほとんどのモデルが返すのは数秒のクリップですが、Seedance 2.5は1つの連続テイクをそれよりはるかに長く保持します。完全なリビールも短いシーンも、いくつもつなぎ合わせずに1ショットで収まります。プロンプトは1つの展開する動きとして書いてください。静止した1フレームではなく、被写体とカメラがテイク全体でどう動くかを描写します。
ネイティブ1080p出力
Seedance 2.5はネイティブで1080pをレンダリングします。1920x1080のフレームを、小さなレンダーからのアップスケールではなく直接生成します。ローンチ時の720pから向上しました。クリップは別途アップスケールの工程を挟まず、そのままソーシャル、ウェブ、広告のパイプラインに乗ります。720pを引き伸ばした映像より、輪郭も質感もくっきりします。30秒のフルテイクも、ネイティブ音声も、最大50件の参照も、すべて1回の生成で1080pに乗ってきます。
参照による連続性
見た目を安定させる要はマルチモーダル参照です。キャラクターや製品、セットの画像を渡すと、モデルはその見た目をクリップ全体、そしてショットからショットへと運びます。参照入力は1回の生成あたり最大50までです(画像30枚、動画10本、音声10)。扱えるのは画像や動画クリップ、音声だけではありません。シンプルな3Dホワイトモデルも渡せます。キャラクター、場所、パレットをまとめて固定できるので、シーンごとに絵がぶれず、シーケンスを見分けやすく保てます。
クリップ内編集と延長
編集は完全な作り直しではなく的を絞ったものです。既存クリップへの1つの変更なら、その要素をその場で調整します。フレームの残りはそのまま保たれ、ショット全体を再生成するより速く済みます。すでに気に入っているテイクを失うこともありません。タイムスタンプで瞬間を指定できるため、変更は狙った箇所だけに適用されます。
| 操作 | できること | 例 |
|---|---|---|
| 指示による編集 | テキストでコンテンツを追加・削除・変更、任意で指定タイムスタンプに適用 | 0:02から0:05のシーンを差し替え、動きとリズムは維持 |
| 参照画像による編集 | 与えた画像に合わせて要素を差し替え | ジャケットを参照のものに差し替え、残りは維持 |
| 被写体を追加 | 人物・小道具・エフェクトをフレームに加え、残りは変えない | キャラクターの手にエネルギーの弓を加える |
| 被写体を削除 | 物体・ウォーターマーク・ロゴを消して、隙間を埋める | ドローンとその軌跡を削除し、空をインペイント |
| 音声の編集 | 音楽を差し替え、効果音を加え、声を変更 | 背景音楽を差し替え、映像は維持 |
| クリップを延長 | 前方へ続ける、直前の瞬間を補う、2つのクリップをつなぐ | 空が暗くなりながら6秒前方へ延長 |
延長は高忠実度です。できることは3つあります。クリップを最終フレームの先へ続ける(前方)。最初のフレームの直前の瞬間を生成する(後方)。2つのクリップの間に途切れのないトランジションを作る。いずれもキャラクター、リズム、スタイルはそのまま保たれます。何秒追加するかは自分で設定します。
音声つきAIカメラ制御
カメラの動きは平易な言葉で演出します。ゆっくりとしたプッシュイン、低い位置のトラッキングショット、プルバックといった具合です。こう書けば、動きはぶれではなく意図的なカメラとして読み取れます。ネイティブ音声は同じパスで生成されます。返ってくるのは無音のクリップではなく、ルームトーンや効果音がすでに乗ったシーンです。
ネイティブ音声と10以上の言語
音声は同じパスで生成されます。シーンは声や音楽、効果音がすでに付いた状態で返ってきます。2.5の新機能が音声のみの参照です。声・音楽・効果音のトラックを1つ渡せば、それがショットのテンポ、ビートマッチング、リップシンクを駆動します。Seedance 2.5は10以上の言語でネイティブに生成し、指示にもより忠実に従います。シーンの描写も、そのボイスオーバーやタイトルの各言語向けローカライズも、自分の言語で進められます。
Seedance 2.5のユースケース
長尺ワンテイクの導入ショット
風景を横切るひと続きの動きが、数秒どころではない長さで途切れません。長いネイティブテイクなら、カットなしでリビール全体を運べます。空撮も、つなぎ合わせたクリップではなく1台の連続したカメラとして読み取れます。
緻密なクローズアップの職人技
作業する手、宝飾品、機構。動きの中でも細部が崩れません。参照による生成が対象をフレームごとに一定に保つので、接写の検分ショットもにじまずくっきり残ります。
スポーツと運動の動き
速い身体と移り変わる重心が、クリップ全体で崩れません。動きはぼやけず、動作をそのまま追います。夜明けのスプリントが、本物のタイミングとフォロースルーで読み取れます。
シネマティックなSFシーン
大きなセット、雰囲気、ボリューメトリックな光がショットにスケールを与えます。カメラ制御は意図をもって空間を進みます。格納庫の内部も、静止レンダーではなくシーン用に演出されたように感じられます。
旅とドキュメンタリー
広い眺望とゆっくりしたリビールが、ネイティブ1080pできれいに仕上がります。大画面向けの素材としてそのまま使えます。砂漠横断では、手前の砂粒から遠い地平線まで細部が残ります。
シュールで想像力豊かなコンセプト
被写体がショットを通して一定に保たれるので、あり得ないシーンでも成り立ちます。ダイバーの前を漂うクジラは、スケールと重量感を保ったままです。コンセプトが途中で崩れません。
Seedance 2.5を最大限に活かす方法
Seedance 2.5は、明確なショットの指示書によく応えます。連続性を参照に任せる習慣も同じです。品質の大半は、次のいくつかの実践で決まります。
- 1つの連続テイク向けに書く。一瞬を切り取るのではなく、被写体とカメラがショット全体でどう展開するかを描写します。
- カメラの動きを名指しする。「ゆっくりしたプッシュイン」「低い位置のトラッキングショット」なら意図が伝わります。「シネマティック」はモデルに何も伝えません。
- 参照で被写体を固定する。キャラクター、製品、セットの鮮明な画像を渡せば、見た目がぶれずにクリップを通ります。
- 各参照が何のためかを言う。キャラクター、セット、パレットを指定すれば、どの参照がシーンのどこを導くのかモデルに伝わります。
- ショット間で参照を再利用する。1組の参照をカットからカットへ運べば、シーケンスは一定に保たれます。
- 複雑なブロッキングは3Dホワイトボックスで組む。ホワイトモデルの簡単なシーンを参照として渡せば、レンダリングを1回消費する前にセットとカメラの経路を置けます。
- その場で編集し、作り直さない。既存クリップの直しは、ショット全体を再生成せずその要素だけを変えます。
- 音声のみの参照でリズムを駆動する。音楽や声のトラックを添付すれば、モデルがテンポ、ビート、リップシンクを合わせます。
安定した結果のための参照の選び方
参照は多ければ良いというものではありません。品質を保つのは、絞り込んだ組み合わせのほうです。
- 画像参照では、主要な被写体を8以下に抑えます。9〜12まで増やすのは、どうしても必要なときだけです。
- 動画や音声の参照では、被写体を5以下に抑えます。クリップは5〜10秒が目安です。読み取れる長さがあって、なお乱れない長さです。動画参照は合計で30秒まで、音声参照も合計30秒までです。
- 既存動画を編集する場合は、元のクリップを20秒未満に抑えます。組み合わせる参照画像は1〜5枚。6〜8枚まで増やすのは、編集内容がどうしても必要とするときだけです。
- 被写体が5以下なら、単一視点でも複数視点でも機能します。5を超えたら単一視点の画像を選んでください。あるいは、1枚にまとめず別々のアングルでアップロードします。1枚にコラージュした複数視点より、別々のアングル画像のほうが精度を保てます。
- 優先順位は決まっています。中心となるキャラクター、次に主要な製品や小道具、次にシーン、最後に全体のスタイルです。
機能の全リストと仕様については、Seedance 2.5のモデルページをご覧ください。
Seedance 2.5プロンプトガイド
優れた動画プロンプトはキャプションではありません。短いショットの指示書のように読めます。そうすれば、モデルは言葉で書かれた静止画ではなく、被写体と動き、カメラを手がかりに作業できます。ByteDance自身のプロンプトガイドは、そのための公式を1つ示しています。このページの残りは、すべてその公式の上に成り立っています。
Seedance 2.5プロンプトの公式
6つの要素を、この順序で並べます。不要なものは省いてかまいません。
| 要素 | 内容 | 必須か |
|---|---|---|
| 被写体と動作 | 誰または何がフレームにいて、何をするか | 必須。すべての土台 |
| 舞台と環境 | 場所、時間帯、天候、空間の関係、背景 | 任意 |
| ビジュアルスタイル | 光、色、素材、質感、全体のムード | 任意 |
| カメラの動きやカット | ショットサイズ、アングル、動き、フォーカスする被写体、トランジション | 任意 |
| 音声 | セリフ、声、環境音、効果音、音楽 | 任意 |
書き出すと、次の短い4行になります。
[Subject] performs [primary action or event] in [scene and environment].
The visuals feature [visual style].
Use [shot size, camera angle, camera movement, or cuts].
Audio includes [dialogue, ambience, sound effects, or music].
実例です。
A ceramic artist finishes a pale blue cup in a studio at dawn, lifts it from
the wheel, and places it in the center of a wooden shelf.
Soft morning light enters through the window. The wet clay has a delicate
sheen, and the workbench remains tidy.
Begin with a medium shot of the wheel-throwing process, slowly push in toward
the cup's surface texture, then cut to a frontal view of the shelf.
Retain the low hum of the pottery wheel, the friction of clay, and subtle
indoor ambience.
アスペクト比や長さなどの生成設定は、プロンプトに含めません。テキストではなく、生成ページ側で設定します。
音声、セリフ、字幕の構文
平易な言葉でも通じます。ただし4種類の括弧を使えば、伝えたい音声やテキストの種類をSeedance 2.5に正確に指定できます。セリフが字幕として画面に描かれる。効果音が声として読み上げられる。こうした事故を防ぐ、もっとも手軽な方法です。
| 内容 | 括弧 | 例 |
|---|---|---|
| 音楽 | ( ) | (Soft, rhythmic piano music plays in the background) |
| 効果音 | < > | <A bell rings in the distance> |
| セリフ | { } | {Hello, welcome back.} |
| 字幕 | 【 】 | 【Chapter One: Departure】 |
中国語以外の言語で書く行の前には、その言語名を明記してください。モデルが違う言語を選び続けるなら、もう一度明記します。順番は、言語、地域のバリエーションやアクセント、話し方、話者、そしてセリフです。
Dialogue language: American English. The girl says in natural, conversational
American English: {I thought you weren't coming.}
この最後の部分は、見た目以上に効きます。単に「English」と書くのと、「authentic Los Angeles English」のように地域のバリエーションまで指定するのとでは、返ってくるものが変わります。後者が、ニュートラルな読み上げではなく特定の話し方を引き出します。
参照に名前を付け、役割を定義する
参照はSeedance 2.5が従来のモデルと一線を画す部分です。同時に、弱いプロンプトの大半がつまずく部分でもあります。画像をアップロードしただけでは、指示は半分しか出せていません。その画像が何をもたらすのか、そして何を無視すべきなのか。そこまでプロンプト側で明記する必要があります。
@Image 1 defines the ceramic artist's facial features, hairstyle, and dark
green apron. Do not use the image background.
@Image 2 defines the wooden workbench, window placement, and morning light of
the pottery studio. Do not use the people in the image.
@Video 1 defines the pacing of throwing clay with both hands, lifting the cup,
and placing it down. Do not use the person's identity, clothing, or scene.
ここでの信頼性は、次の3つのルールでほぼ決まります。
- 1つの参照を1つの被写体に、その都度紐づける。 対応関係は1つずつ書き出してください。「@Images 1 through 4 define four characters respectively」のような行では、どの画像がどのキャラクターなのか伝わりません。
- 除外事項を加える。 背景も通行人も構図も、除外しない限り参照からそのまま引き継がれます。
- 複数の画像が1つのものであることを伝える。 同じランプの4アングルなら、「all four images define one folding desk lamp, and the output must contain only one lamp throughout」のように書きます。書かなければ、ランプが4つ出力されます。
参照動画がすでに動きとカメラワークを担っているなら、引き継ぐ属性だけを指定してください。動作を言葉で書き直すと、せっかく添付した参照と競合します。
多数の参照を同時に演出する
参照が数点を超えると、目的は描写からキャスティングへ変わります。進め方は順番どおりです。まず各素材の役割を定義し、被写体をマッピングします。次に種類ごとにグループ化し、重要なものにはプロフィールを作ります。最後にシーンごとに参照を選びます。
グループ化しておけば、長いリストでも読めます。
[Characters]
<Conservator> corresponds to @Image 1. Use only the appearance,
hairstyle, and clothing.
<Registrar> corresponds to @Image 2. Use only the appearance,
hairstyle, and clothing.
Do not interchange their appearances, clothing, actions, or dialogue.
[Props]
<Sample Case> corresponds to @Image 5 and belongs only to <Conservator>.
[Scenes]
<Conservation Lab> references @Image 7. Use only the space,
materials, and lighting.
複数のシーンに登場するキャラクターには、プロフィールを1つ作ります。そのキャラクターに紐づく参照をすべてまとめ、「使わない」行も入れてください。そのうえでシーンごとに選びます。各ショットが使うのは、必要な参照だけです。
Scene 1 | Inspection in the Conservation Lab
Use: <Conservator>, <Sample Case>, <Conservation Lab>, and the
case-opening motion from @Video 1.
Event: <Conservator> opens <Sample Case> at the workbench and
inspects the sample inside.
End state: <Conservator> remains on the inner side of the workbench,
<Sample Case> beside their right hand.
50の参照はキャスティング用のプールです。買い物リストではありません。目的は、目の前のショットに合う素材をモデルが選べるようにすることです。すべてを一度に画面へ詰め込むことではありません。
より長く、編集・延長したSeedance 2.5のショット
Seedance 2.5が作られた目的は長さです。そして30秒のテイクには、5秒のテイクとは違うプロンプトの形が要ります。編集モードや延長モードも同じです。こちらは白紙のフレームではなく、手元にあるクリップに対して動きます。
30秒のSeedance 2.5動画を書く
ストーリーを連続したステージに分割します。各ステージに与える主要な変化は、ちょうど1つです。そのステージが終わったとき画面に何が映っているべきかも述べてください。この終了状態が、あるステージから次のステージへ連続性を運びます。
[Generation Goal]
Generate an instructional video showing a flower shop's order-packing process.
[Stage 1]
Initial state: <Florist> stands behind the workbench. Loose stems,
scissors, and wrapping paper lie on the tabletop.
Primary event: <Florist> arranges the stems and trims them to length.
End state: <Florist> holds the bouquet in the left hand, scissors
back on the right of the workbench.
[Stage 2]
Continue from the previous stage: both characters keep the same
identities and clothing.
Primary event: <Store Assistant> unfolds the wrapping paper,
<Florist> places the bouquet inside and ties it.
End state: the wrapped bouquet lies flat in the center of the
workbench, bow facing camera.
[Maintain Consistency]
Keep character identities, clothing, prop ownership, and workbench
orientation consistent.
タイミングとペース配分
基本はステージ分割です。タイムスタンプを持ち出すのは、引き継ぎや登場、トランジション、ビートを特定の瞬間に合わせたいときだけにします。
| パターン | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| 時間範囲 | クリップ全体のテンポ配分 | 0–3 seconds… 3–7 seconds… 7–12 seconds… |
| 正確な時点 | 1つの重要なビート | At 5 seconds, the camera whip-pans left and completes the transition |
| 相対的なタイミング | 2つの出来事の間の遅延 | Three seconds after the character presses the button, the lights go out |
範囲は連続させ、重ならないようにします。これらは編集点ではなく時間の予算です。動作は境界の前後どちらかに多少ずれて着地してもかまいません。範囲に対して内容が少なすぎると、モデルが迷う余地が生まれます。多すぎれば、駆け足のカットや出来事の欠落を招きます。1秒の間に3つの動作を求めても機能しません。
既存クリップを編集する
編集は新しいプロンプトではなく、パッチです。元クリップを唯一のマスターとして指定してください。そのうえで変更の範囲を述べ、動かしてはいけないものを列挙します。
[Edit Goal]
Edit @Video 1. Only from 4-7 seconds, change the cool blue light on
the right wall to warm orange light.
[Source Video Role]
@Video 1 is the sole editing master. It defines the character, room
layout, actions, composition, camera movement, audio, and event order.
[Edit Scope]
Change only the light color on the right wall and the area it
illuminates. Allow skin tone to respond naturally.
[Content to Preserve]
Keep the character's identity, clothing, expression, position, motion,
room structure, camera movement, dialogue, and ambience from @Video 1.
被写体を差し替える場合は、ブロックをもう1つ追加します。ここが見落とされがちです。差し替え後の対象は、元のタイムラインをそのまま引き継ぐ必要があります。登場も、動きも、隠れ方も、退場も。タイミング、経路、速度まで同じにします。これがないと、新しいオブジェクトは正しいフレームに入るのに、リズムだけが狂います。背景の差し替えも考え方は同じです。対象は、被写体のシルエットの外側すべてになります。
音声の編集は、映像の編集とは分けて扱います。話者や音のカテゴリー、変更内容、そして維持するものを指定してください。音楽だけ消して、セリフ、リップシンク、環境音、効果音は残す。これも1つの指示にまとめられます。
クリップを前方または後方に延長する
延長は、境界フレームに新しい映像をつなぎ足す処理です。だから新しい動作を描写する前に、その境界フレームを描写します。前方への延長では、延長部分の最初のフレームが元クリップの最後のフレームから続きます。後方への延長では、延長部分の最後のフレームが元クリップの最初のフレームにたどり着かなければなりません。
@Video 1 is the source video to extend forward.
Extend @Video 1 forward. The first frame of the extended segment directly
continues from the last frame of @Video 1. Maintain the same locked-off medium
shot, the paper airplane's position and orientation, the classroom-window
background, the afternoon lighting, and its movement toward frame right.
Then, the paper airplane continues gliding right and exits the frame while the
curtain beside the window sways slightly.
後方への延長には、保険がもう1つ要ります。どの素材が元クリップだけに属するのかを述べてください。書かなければ、本来あとから登場するはずのキャラクターや小道具が、いま生成したセグメントの早い段階で現れます。もう1点、「元動画につなげる」という指示だけでは足りないと考えてください。元クリップの最初のフレームを、明示的な終了状態として書き出します。書かなければ、すでにたどり着いたあとも映像が変化し続けます。
上書きできない固定設定
編集、延長、最初のフレーム生成では、それぞれ一部のパラメータが投入した素材に固定されます。
| タスク | アスペクト比 | 長さ |
|---|---|---|
| 動画編集 | 入力動画から継承、設定不可 | 継承、設定不可、約0.3秒以内の誤差 |
| 最初のフレーム、または最初と最後のフレーム | 最初の画像から継承 | 設定可能 |
| 動画延長 | 入力動画から継承、設定不可 | 設定可能 |
実務で引っかかるのは、最初と最後のフレームを使う作業です。両方の画像に同じアスペクト比を与えてください。そうしないと、最後のフレームが最初のフレームに合わせて引き伸ばされます。
Seedance 2.5の高度な演出
キーフレーム、ストーリーボード、3Dブロックアウト
ショットの構造は、言葉で描写する代わりにSeedance 2.5へそのまま渡せます。方法は4つ。制御力が高くなる順に並べます。
- 最初と最後のフレーム。 最初の行で、一方の画像が最初のフレーム、もう一方が最後のフレームだと述べます。そのうえで、その間の1つの連続した動作を描写します。アンカーはそれぞれ別に描写してください。「これら2枚が最初と最後のフレームです」とまとめると、どちらにも紐づきません。
- 複数キーフレームのシーケンス。 冒頭で「use @Image 1 through @Image N as keyframes in this order」と述べ、各画像が表す重要な状態を示します。1枚のグリッドにコラージュするより、個別の画像のほうが精度良く揃います。目的はすべてのフレームの再現ではなく、ステージの順序の制御です。
- ストーリーボードのグリッド。 グリッドが伝えるのは、ショットの順序とおおまかな構図です。細部の正確さではありません。パネル数はおよそ15以下に抑えます。きれいな線画を使い、テキストラベルは最小限にし、読む順序を明記してください。グリッド自体のスタイルは、最終レンダーに写り込まないよう除外します。
- 3Dブロックアウト。 粗いブロックアウトが運ぶのはタイミング情報です。経路、ブロッキング、カメラの動き、カットのタイミング、照明の変化、音のリズム。灰色の形状は、それぞれ最終的な被写体の名前に対応づけてください。精密なブロックアウトはすでに完全な構造を持っています。こちらは構造とカメラワークを保ったまま、素材、キャラクター、シーン、スタイルを再レンダリングする用途です。使う前に、経路の線、座標軸、カメラの視錐台は取り除いてください。残せば、それらもレンダリングされます。
感情と演技の演出
感情を表す言葉は方向性しか示しません。演技そのものは曖昧なままです。それを引き締めるのは、視聴者が実際に目にし、耳にするものを名指しすることです。目の動き、眉の緊張、口の動き、呼吸、視線の向き、手の動き。1回の感情の転換なら、手がかりは2〜4個で足りることがほとんどです。顔の細部をすべて列挙する必要はありません。
基本の形は決まっています。きっかけ、即座の反応、徐々の変化、そして落ち着いた表情という流れです。
The overall emotion shifts from [starting emotion] to [ending emotion].
After [triggering event], [subject] first shows [immediate observable reaction].
Then, [eyes, brows, mouth, breathing, gaze, or hand movement] gradually [changes].
Finally, [subject] expresses [target emotion] through [outward behavior].
感情が何度も転換する場合は、代わりに出来事の連鎖として組み立てます。キャラクターが新しく聞いたり見たりするものが1つ増えるたびに、演技も1段階進みます。
Seedance 2.5が理解するカメラの言葉
標準的な語彙は、そのままプロンプトに入れて構いません。ショットサイズはエクストリームワイドからエクストリームクローズアップまで。動きはプッシュイン、プルアウト、パン、横移動、フォロー、オービット、ダイブ、ドリーアウト、ティルトアップ、ハンドヘルドの揺れ。アングルはローアングル、俯瞰、一人称視点です。
よく使われる技法も使えます。条件は2つ、どの被写体に適用するか、そして動きがどこで始まりどこで終わるかです。ワンテイクショットなら、通過する空間を順番に示します。ドリーズームなら、被写体のサイズを保つことと、背景がどちらに動くべきかを。バレットタイムなら、動作を止める瞬間とオービットの方向を。スピードランプなら、動作がどこで加速し、どこで落ち着くかを述べます。
モデルが知らない可能性のある用語や、業界内でも使い方が一定しない用語もあります。その場合は用語自体を残しつつ、目に見える変化に言い換えてください。
Rack focus: shift focus smoothly from the leaves in the foreground to the
person in the background. The leaves gradually blur while the person's face
changes from soft to sharp.
絞りや焦点距離、シャッター値を指定してもかまいません。ただし、求めている見た目の結果を直接書くほうが、ほとんどの場合わかりやすい指示になります。
生成前チェックリスト
生成を実行する前に、このチェックリストを確認してください。
- 被写体と主要な動作が明確に述べられている。
- すべての参照が、使うものと使わないものを述べている。
- 別々のキャラクター、製品、小道具がそれぞれ名前を持ち、1つの参照に紐づいている。
- 参照はシーンごとに選ばれており、すべてのショットに無理やり詰め込まれていない。
- 長尺動画の各ステージに、1つの主要な変化と明確な終了状態がある。
- キャラクターの人数、服装、小道具の所有関係、空間の関係が一貫している。
- 編集の指示が、唯一のマスター、変更範囲、維持すべき内容を明記している。
- 感情表現や珍しいカメラ用語には、目に見える手がかりが添えられている。
- 最初と最後の画像が同じアスペクト比を持ち、各キーフレームに1つの役割がある。
- 延長には、確認済みの境界フレーム、動きの傾向、音声の連続性がある。
Seedance 2.5が正確にはできないこと
ショットを計画する前に知っておく価値があります。
- タイムスタンプは出来事に時間を割り当てるものであり、フレーム単位で正確な編集点ではありません。
- 編集は、出来事が元クリップと揃う可能性を高めます。ただしフレーム単位での一致は保証しません。
- 切れ目のないトランジションが目指すのは映像と音声の連続性です。両方の元クリップをピクセル単位で同一に保つことではありません。
- 正確さが求められる字幕、数式、看板、製品仕様は、依然としてポストプロダクションの作業です。ショットを生成し、テキストは合成してください。
弱いプロンプトと強いプロンプト
カメラも、時間経過に沿った動きも、各参照の役割も、運任せにせず指定します。
| 焦点 | 弱い | 強い |
|---|---|---|
| カメラ | 夕暮れの都市のスカイライン | 夕暮れのスカイライン上を滑る低い空撮、灯りのともった1つの塔へ向かう途切れないプッシュ |
| 時間経過に沿った動き | 稜線上のクライマー | クライマーが稜線を越えてよじ登り、立ち上がって谷に向き直り、カメラが後退する |
| 連続性 | これらの参照を使う | @Image 1 は探偵のコートと顔を定義。その背景は使わない。@Image 2 は広場の配置と光を定義 |
よくある間違い
- 静止画を描写する。動画モデルに必要なのは、言葉での写真ではなく時間経過に沿った動きです。
- 曖昧なカメラ。「シネマティック」はモデルに何も伝えません。ショットと動きを1つ指定してください。
- ステージに分けず、1つのプロンプトへシーケンスを詰め込む。出来事が順を追わず、ぶつかり合います。
- 参照にラベルを付けない、またはグループとしてまとめてラベル付けする。どの参照がシーンを導くのか、モデルが推測するしかなくなります。
- 除外事項を書き忘れる。被写体と一緒に、参照の背景や通行人まで引き継いでしまいます。

