Gemini Omni Flash 1.1の機能と特長
Google DeepMindのマルチモーダル動画モデル、2026年8月の更新版です。3〜10秒のクリップを音声つきで作り、そこで終わりにしません。次のプロンプトが同じテイクを編集し、延長を重ねれば40秒まで伸びます。
| 機能 | できること | 向いている用途 |
|---|---|---|
| 対話での編集 | 次のプロンプトでテイクを変更。触れなかった部分はそのまま残る | 作り直さずにショットを直す |
| 動画の延長 | 10秒ずつ続きを足して、合計40秒まで | 1回の生成では足りないシーン |
| リファレンス入力 | 画像10枚とクリップ3本が1回の生成を導く。役割はタグで指定 | 繰り返し出る人物、商品、スタイル |
| 最初と最後のフレーム | 2枚の静止画のあいだを補間。同じ1枚を2回渡せばループ | トランジション、ループ、絵コンテの2枚 |
| 音声を同時に生成 | 口の動きが合ったセリフ、効果音、空気感、音楽を映像と一緒に | 会話の場面、音で見せるショット |
| 解像度の段階 | 360pから4Kまで。1080pと4Kはアップスケール | 安い下書きと、原寸の納品 |
| 画面内の文字 | 指定した英語の文言を、背景の看板まで描く | タイトル、テロップ、字幕 |
Gemini Omni Flash 1.1のユースケース
1つのテイクに編集を重ねる
部屋の光を変える、ジャケットを替える、看板を書き換える。どの指示も同じショットに乗り、フレームの残りは動きません。

延長で組み立てるシーン
10秒の一拍から始めて、そこから育てます。モデルは終わり際の数秒を読み、動きも登場人物も音楽も40秒まで続けます。

ラフから映像へ
その絵はあくまで下敷きだと書き添えてください。シルエットと動線だけを借り、質感と光と奥行きはモデルが組み直します。

しゃべる出演者
セリフを書けば、口の動きが合った状態で本人が話します。その声は、あとから何度編集しても本人のままです。

時間を指定した連続カット
タイムコードのブロックを渡せば、1つのプロンプトがカット割りになります。商品カットの連打も、2秒ごとの一拍も同じ書き方です。

きれいに閉じるループ
同じ画像を最初と最後のフレームに渡すと、クリップは始まった場所へ戻ります。商品ページに置いて、そのまま回せます。

ステップ1:タスクを選ぶ
このモデルができることは、すべて5つのタスクのどれかに収まります。取り違えられそうなときだけ名指ししてください。ふだんはプロンプトと渡した素材から判断されます。
| タスク | できること | 選ぶ場面 |
|---|---|---|
| Text to video | 書いたブリーフからクリップを生成する | 手元に素材が何もない |
| Image to video | 静止画を動かす、または2枚のあいだを補間する | 画は決まっていて、動きがほしい |
| Reference to video | タグを付けた画像とクリップからショットを組む | 人物やスタイルを引き継ぎたい |
| Edit | 既存の動画を変更する | テイクは合っていて、1点だけ違う |
| Extend | 続きを末尾に足す | テイクは合っていて、尺が足りない |
ステップ2:プロンプトを書く
プロンプトは短いショットブリーフです。並べる順番は次のとおり。アスペクト比、解像度、尺は設定項目なので、プロンプトには書きません。
| 要素 | 書く内容 | 必須かどうか |
|---|---|---|
| 被写体と動き | 誰が写っていて、何をしているか | 必須 |
| シーン | 場所、時間帯、天候、背景 | 任意 |
| カメラと光 | サイズ、動き、レンズ、光源 | 任意 |
| 音 | セリフ、空気感、効果音、音楽、または無音 | 強く推奨 |
| ショット構成 | ワンカットか、カットを割るならその間隔 | 任意 |
作例です。プロンプトは英語のまま載せています。Googleがこのモデルで評価しているのは英語なので、そのまま書くのがいちばん確実です。
Continuous, unbroken handheld shot of a fluffy tabby cat on a sunny windowsill,
looking out into a leafy garden. Its tail twitches slowly; its ears rotate toward
ambient noises. Sound design: gentle breeze, distant bird chirps. No dialogue.
5つのプロンプトレバー
| レバー | こう書く | 効く理由 |
|---|---|---|
| ショット構成 | Single continuous shot, no scene cuts. Or: every 2s cut to a new location | 何も言わないと、モデルは複数のショットで物語を語る |
| 音 | No music, just room tone. Or a spoken line: she says, third one today | 無音は頼まないと来ない。放っておくと音楽が付く |
| 時間の指定 | After 3 seconds, a woman enters. Or a timecode block | 範囲は目安であって、フレーム単位の編集点ではない |
| 画面内の文字 | A street sign that says MARKET LANE | 指定しない文字は勝手に作られる。英語は描けるが、ほかの文字体系は描けない |
| きっかけ | When the person touches the mirror, it ripples like liquid | 抽象的な時間指定より、出来事を起点にしたほうが正確に決まる |
タイムコードのブロックは、1つのプロンプトの中でカット割りまで指定する書き方です。これも英語のまま書きます。
[0-3s] A person is walking
[3-6s] They stop and turn around
[6-10s] They start running
否定はプロンプトの中に書きます。no dialogue、do not add captions のように添えるだけです。否定専用の入力欄はありません。
ステップ3:リファレンスとフレームを渡す
1回の生成で使えるのは、参照画像10枚と参照動画3本です。どのファイルがどの役かは、タグで割り当てます。番号はアップロード順に0から数えます。
| タグ | 役割 | 例 |
|---|---|---|
| FIRST_FRAME | 開始フレーム | <FIRST_FRAME> a woman is walking |
| LAST_FRAME | 終了フレーム。開始フレームと対で使う | <FIRST_FRAME> <LAST_FRAME> a woman is walking |
| IMAGE_REF_0 | 参照:被写体、商品、スタイル | in the style of <IMAGE_REF_0>, a woman is walking |
| VIDEO_REF_0 | 人物やものの参照 | the person in <VIDEO_REF_0> is playing the violin |
- 先に全部添付する。 途中で足したリファレンスは、保たれていた場面を崩します。
- 1枚に1つの役を割り当てる。 1枚目はスタイル、2枚目は被写体。推測させるより確実です。
- 動画リファレンスは短く。 1本3秒まで。得意なのは見た目で、中に入っている音は無視されます。
- 同じ画像を最初と最後のフレームに渡すと、つなぎ目のないループが返ります。
ステップ4:結果を編集して延ばす
生成したテイクは、会話の中に残り続けます。10秒以内であれば、アップロードした映像も同じ会話に入れられます。書いたものはすべて描き直しの対象になるので、書くのは変更点だけにしてください。
| 避ける | こう書く |
|---|---|
| In the video of the man on the sofa, add a small black cat that runs in from the right, jumps onto his lap, and he strokes its head | Add a cat that jumps onto his lap, he begins to pet it. Keep everything else the same. |
| Make the whole scene feel more dramatic and cinematic with moodier colors and stronger shadows | Change the lighting to be more dramatic. Keep everything else the same. |
| ルール | 詳細 |
|---|---|
| 1ターンに1つだけ変える | まとめて指示すると、一貫性が崩れる確率がおよそ2倍になる |
| 1つの流れで4回まで | それを超えるとずれが出る。「人物の細部はそのまま、Xだけ変更」で締め直す |
| 延長は末尾だけ | 10秒ずつ合計40秒まで。頭に足すことも、途中を伸ばすこともできない |
| 延長すると時計は0に戻る | 「2秒後」は、新しく足した映像の2秒後を指す |
| リファレンスも一緒に渡せる | 添付した画像から、延長した場面に新しい人物を登場させられる |
延長のプロンプトも英語で書きます。何がどう続くのかを、そのまま続きの文として渡すだけです。
Extend this video. The scene continues: she sets the cup down, and the camera
pulls back through the window into the rain. The music fades to street noise.
Gemini Omni Flash 1.1の制約
| 制約 | 起きること | 回避の仕方 |
|---|---|---|
| 非ラテン文字 | 日本語や中国語の字形が、それらしく見えるだけの創作になる | 画面内の文字は英語にする。または全フレームを目で確認する |
| 人数の多い場面 | 追う被写体が4つ以上になると、混ざるかずれる | 3つまでに抑える |
| 声の編集はできない | 音声のアップロードも、声だけの差し替えもできない | 声はテキストで指示する。一貫性はそのまま保たれる |
| ポリシーの境界 | 実在のブランドや識別できる人物は、地域によってブロックされる | ブランド要素は架空のものにする |

