Lyria 3.5の使い方:プロンプト、曲の構成、歌詞まで

Lyria 3.5の使い方:プロンプト、曲の構成、歌詞まで

Lyria 3.5でフル尺の曲を作る手順です。プロンプトで名前を挙げるべき6項目、タイムスタンプによる構成の指定、自分の歌詞の入れ方、画像からの作曲、そして動画のBGMやゲーム音楽で当たる制約まで扱います。

Lyria 3.5のサンプルを聴く

ローファイの勉強用ビート

インスト。Rhodesとレコードノイズ

シネマティックな盛り上がり

オーケストラ。ピアノから金管の全奏へ

インディーポップ、歌あり

ボーカル。歌詞は書いたものを使用

ダークなトラップビート

インスト。D minorの808ベース

フレンチシャンソン

ボーカル。フランス語のプロンプト

チップチューンのループ

インスト。レトロな8bit

Lyria 3.5が得意なこと

最後まで形の残る曲

音を鳴らす前に編成を組み立てます。だから2分の曲でも、同じフレーズを回し続けることがありません。イントロがあり、Aメロがあり、サビが来ます。時間割を書き込めば、そのとおりの位置で盛り上がります。

蓋を開けたコンサートグランドピアノが、暗いホールに一筋の光を浴びて置かれている

自分で書いた歌詞を歌わせる

歌詞はセクションタグの下にまとめて貼ります。音楽の指示とは混ぜません。すると言葉を説明ではなく、歌うものとして扱います。モデルが歌詞を書いた場合は、テキストでも返ってきます。

暗い机に置かれたヴィンテージのタイプライター。白紙が丸まって立ち上がり、暖色のランプが当たっている

自分の映像から起こすスコア

静止画は10枚まで添付できます。モデルはそこにある雰囲気や色、場所を読み取って作曲します。編集中のタイムラインからフレームを抜いて渡せば、説明で近づけるより正確に、色調に合った音が返ります。

光るライトボックスの上に写真のポジフィルムが散らばっている真上からの俯瞰

声の上に敷けるインスト

インストのみと指定すると、セリフの入る帯を空けた編成になります。ゲーム音楽、解説動画のBGM、ポッドキャストのテーマ曲は、たいていこの道筋です。

午後の光が差すリハーサル室。4脚の空いた椅子に、チェロとバイオリンが立てかけてある

どの言語でも歌えます

歌詞の言語は、プロンプトの言語で決まります。発音もそれに合わせます。だから狙う言語で全文を書きます。英語のプロンプトに他言語で歌ってと足しても、それは英語のプロンプトのままです。

夕暮れのパリの屋上テラス。小さなカフェテーブルにアコーディオンが置かれている

本番前に安く下書きする

Lyria 3 Clipは30秒固定で、返りが速いモデルです。プロンプトの詰めはここで済ませます。生成はシングルターンで、結果も毎回変わります。安く試せることが、本番を一発で決める条件になります。

暗い棚に並んだ使い込まれたカセットテープ。1本だけ手前に引き出され、硬い斜光を浴びている

Lyria 3.5のプロンプトの書き方

曖昧なプロンプトからは、平均的な曲しか返りません。書かなかったことは、モデルが知っている全部の平均で埋められます。1つ名前を挙げるたびに、決定権が1つ手元に戻ります。

指定する項目効き方書き方の例
ジャンル編成全体が決まりますローファイヒップホップ、シネマティックオーケストラ
楽器系統ではなく音色そのものFender Rhodes、スライドギター、TR-808
テンポ形容詞より数字が効きます85 BPM、70 BPM前後のスロー
キー和声で気分が決まりますG major、D minor
ムード演奏の色が変わりますノスタルジック、攻撃的、幻想的
構成セクションタグか時間割[Verse] [Chorus]、またはタイムスタンプ

ジャンルを書くより、楽器名を具体的に挙げるほうが効きます。「Fender Rhodes」なら音色がひとつに決まります。「キーボード」では、あらゆる鍵盤の平均が返ります。

30秒のローファイヒップホップ。ざらついたレコードノイズ、まろやかなRhodesピアノのコード、85 BPMのゆったりしたブーンバップのドラム、ジャジーなウッドベース。インストのみ。

Lyria 3.5で曲の構成を指定する

音が決まったら、次は曲の形です。制御は2段階あります。2段階目まで使う人は、ほとんどいません。

セクションタグは場所を区切ります。[Intro][Verse][Chorus][Bridge][Outro]。順番だけ決めたいなら、これで足ります。

タイムスタンプは時計を決めます。時間割を書けば、その目盛りに合わせて組み立てます。曲の長さも同時に固まります。

[0:00 - 0:10] Intro: 柔らかいローファイのビートと、こもったレコードノイズから始める。[0:10 - 0:30] Verse 1: 温かいFender Rhodesのメロディを重ね、雨の朝について静かに歌う。[0:30 - 0:50] Chorus: バンド全編成に広げ、アップテンポのドラムと伸びやかなシンセリード。歌詞は明るく前向きに。[0:50 - 1:00] Outro: ピアノのメロディだけを残してフェードアウト。

映像に合わせるときに効くのが、この書き方です。編集点のインとアウトをそのまま持ってきて、セクションとして書きます。すると盛り上がりがカットの位置に乗ります。タイムスタンプを使わないなら、「2分の曲を作って」のように言葉で頼みます。

Lyria 3.5で自分の歌詞を歌わせる

歌詞を貼り、セクションにタグを付けます。そのまま歌ってもらえるか、要約されてしまうか。分かれ目は1つです。音楽の指示と歌詞を混ぜないこと。 先に指示を書き、歌詞はひとつの塊として後ろに置きます。

次の歌詞で、夢見心地なインディーポップを作って。[Verse 1] ネオンの下を歩いてゆく 足元で街の灯が揺れる 影のひとつひとつに話があって 角を曲がるたび色が褪せる [Chorus] 僕らは夜にこだまする 灯りよりも明るく燃える 手を離さないで ここにいて 僕らは地の底のこだま

歌詞を書かずに出すと、モデルが歌詞を用意します。音声の横に、テキストでも返ってきます。自分で書くつもりでも一度試す価値はあります。白紙から始めるより、返ってきた言葉を直すほうが速いからです。セリフを乗せる曲なら、「インストのみ、ボーカルなし」と書きます。

Lyria 3.5の画像入力と多言語の歌詞

画像でスコアを決められます。 静止画は10枚まで添付できます。モデルはそこにある雰囲気や色、場所を読み取って作曲します。自分のタイムラインからフレームを抜いて渡せば、説明で近似するより正確に色調と合います。

歌詞の言語は、プロンプトの言語で決まります。 日本語で書けば、日本語で歌って返ります。発音もそれに合わせます。落とし穴は英語の側にあります。英語のプロンプトに「日本語で歌って」と足しても、それは英語のプロンプトのままで、たいてい英語が返ります。狙う言語で全文を書いてください。

夕暮れの東京をテーマにした、切ない日本語のポップソングを作って。ピアノとアコースティックギターを中心に、ボーカルは女性で。

Lyria 3.5のワークフローと制約

下書きはLyria 3 Clipで作ります。30秒固定で、返りが速いモデルです。プロンプトが決まったら、Lyria 3.5で本番の1曲に起こします。編集に持ち込むなら、MP3ではなくWAVで受け取ってください。

この順番になる理由が、下の4つです。安く下書きできることが、ほぼすべてになります。

制約意味対処
シングルターン「サビをもっと厚く」の追加指示は通りませんプロンプトを直して生成し直します
非決定的同じプロンプトでも同じ曲は返りません気に入った時点で保存します
セーフティフィルターアーティスト名や既存の歌詞は弾かれます歌手名ではなく声質を書きます
SynthIDの電子透かしAI生成であることが全曲に埋め込まれます対応は不要です。耳では聞こえません

よくある質問

Lyria 3.5は日本語の歌詞で歌ってくれますか?

歌います。歌詞の言語は、プロンプトの言語で決まります。だからプロンプト全文を日本語で書いてください。楽器の指定もムードも、まとめて日本語にします。英語のプロンプトに「日本語で歌って」と足すやり方は通りません。それは英語のプロンプトのままだからです。

Lyria 3.5とLyria 3 Clipはどう違いますか?

Clipは30秒固定で、書式はMP3です。プロンプトを速く詰めるためのモデルになります。Lyria 3.5は2分前後のフル尺を作ります。Aメロ、サビ、Bメロが分かれた形になり、WAVでも受け取れます。おすすめは両方を使う流れです。Clipで下書きし、これというプロンプトをLyria 3.5で本番に回します。

Lyria 3.5で曲の長さはどう指定しますか?

方法は2つあります。「2分の曲を作って」のように言葉で頼むか、タイムスタンプで時間割を書き、最後の目盛りで終わらせるかです。正確なのは後者になります。長さだけでなく、どこで何が鳴るかまで同時に決まるからです。Lyria 3 Clipはどちらも無視します。返るのは必ず30秒です。

自分で書いた歌詞をLyria 3.5で使えますか?

使えます。プロンプトに歌詞を入れ、[Verse]、[Chorus]、[Bridge]でセクションを区切ります。大事なのは置き方です。歌詞は音楽の指示と分けて、ひとつの塊にします。混ざっていると、歌う言葉ではなく曲の説明として扱われがちです。

ボーカルなしのインスト曲を作るには?

プロンプトに「インストのみ、ボーカルなし」と書きます。Lyria 3.5でもLyria 3 Clipでも同じです。ゲーム音楽や動画のBGM、ナレーションの下に敷く曲は、この書き方が基本になります。

Lyria 3.5のプロンプトが弾かれるのはなぜですか?

理由はほぼ2つです。特定のアーティストの声や作風を名前で指定した場合と、既存の歌詞を入れた場合になります。どちらもセーフティフィルターが止めます。書き直すときは、名前ではなく質を書いてください。声の太さ、なまり、歌い方。欲しいものを言葉に分解します。

Lyria 3.5の音質はどのくらいですか?

44.1 kHzのステレオです。CDマスターと同じサンプリングレートになります。既定の書式はMP3です。編集やミックスで非圧縮のファイルが要るときは、Lyria 3.5からWAVでも受け取れます。

Lyria 3.5は画像から曲を作れますか?

作れます。テキストのプロンプトに、画像を10枚まで添付します。モデルはそこにある雰囲気や色、場所を読み取って作曲します。映像に音を合わせる方法としては、これがいちばん確実です。静止画には、言葉で近似するしかない情報がそのまま入っているからです。